カテゴリ:books( 242 )

人質の朗読会/小川洋子

f0089775_23151189.jpg「そのニュースは地球の裏側にある、一度聞いただけではとても発音できそうにない込み入った名前の村からもたらされた。」
ツアーの参加者と添乗員が反政府ゲリラに拉致された。
結局、人質は殺されてしまうのだけど、彼らの死後、盗聴テープが公開され、彼らの「朗読会」の様子がわかる。
全部で九章からなるこの小説は、人質と盗聴を担当していた兵士が語る物語。

とても身近で慎ましくて、どこかファンタジーで優しい。

日頃読んでるものが読んでるものなので、小川さんの文章って美しい。
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by liddell423 | 2012-02-08 23:33 | books

ジーパンをはく中年は幸せになれない/津田秀樹

ジーパンをはく人が幸せになれない・・・というわけではなく、そんな風に中年にさらには老年になるのを拒否ってると、精神的に軋轢を起こしますよっていう。

もちろん、この文章はたくさんある章のひとつにしかすぎないし、心理学的に分析した人の行動は面白いのかもしれないけど、なんか説教臭くてヤダ。
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by liddell423 | 2012-02-06 21:14 | books

春を嫌いになった理由(わけ)/誉田哲也

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ドラマ「ストロベリーナイト」の原作者の本。


ホラーだった…。


暗がりで、伸びっぱなしの髪の痩せた男が何かをかじっている。
それは少女の骨で、彼女は半分かじられた顔で声を発する。
「助けて…。」

そのあとは、普通に、通訳を目指す女性とテレビ局に勤める叔母の話だったし。
霊媒師とか、中国からの違法移民とか出てきて
「あれ?」
だったけど。
最後、きれいに纏まってすっきり。


でも、結局ホラーなのね。
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by liddell423 | 2012-02-03 13:00 | books

東京タワー/江國香織

映画が意外と良かったので、原作も読んでみました。

「不倫」なんて自分と関係ないと思ってるからなぁ。

しかも、四十歳で二十歳の子。
子どもの友だちと恋に落ちる感じ?
うーーーん。

でも
「こんな相手は止めておいた方が良い」
と思ってても落ちちゃうのが「恋」なんでしょ。
「恋」は「する」もんじゃなくて「落ちる」もんなんでしょ。

詩史さんや貴美子さんより、詩史さんからの電話をいつも待ってて、一日中彼女のことが頭から離れない透に感情移入してしまった。
tomの恋愛ドラマ鑑賞は、いつも男目線な気がする。


映画はドラマチックな結末を用意してるけど、小説は中途半端なまま。
その方がリアルな気がする。
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by liddell423 | 2012-01-15 22:01 | books

ビブリア古書堂の事件手帖/三上廷

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Mさんお勧めの本好きが主人公の本。
いや、主人公は「本が読めない」青年なのか。
表紙のこの女性が「黒髪、胸が大きい、本のこと以外は話すのが苦手」ってキャラなので、絶対書いた人は男性だな、と思った。

本を巡って殺人事件が起きたりするわけではなく、古書店に持ち込まれる本にまつわる隠されたエピソードを栞子さんが推理していく。

それにしても、高値になるのは絶版、美本、人気だけど発行部数が少ない本らしい。
ひょっとしたら、結婚を機に捨ててしまった本の中に掘り出し物があったかも。


ライトノベルをばかにしない本好きの方ならきっと好きだと思う。
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by liddell423 | 2011-12-10 23:14 | books

おやすみラフマニノフ/中山七里

f0089775_22112547.jpg以前から興味があった本を貸してもらったので、今日は映画は我慢して読書の日に。

最近、昼休みを読書の時間にしている。
ところが涙腺がもろくてすぐ泣いてしまうので、危険回避のためひとりロッカーで読んでいる。
寒い。
この本もロッカーで読み始めたけど、泣くシーンはないかな・・・と思ってたら、やっぱり泣いたよ。
ダメなんだ。
人が死んじゃうと。
演奏シーンに感動もしちゃうし、誰かを思う気持ちにもジーンときちゃうし。

ドビュッシーも好きだったけど、今回は誰も殺されず、この人が犯人じゃなきゃいいなと思ってた人は犯人じゃなかったし、、、良かった。

解説を書いた仲道郁代さんの言う通り、次回からはCD付けてくれないかなぁ。
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by liddell423 | 2011-12-07 22:25 | books

さよならドビュッシー/中山七里

f0089775_23375591.jpg第8回のこのミス受賞大賞受賞作品。
最近読んだこのミス作品に裏切られてきたので、やっと出会えた感が。

ドビュッシーの「月の光」は大好き。
初めて作ったHPにDIMIを張ってた。
全身に大やけどを負い、思うように指が動かせなくなったピアニスト志望の主人公が、
「聴いている人に私が見た景色を見せたい」
と思って努力する「映像が見える」曲だと思う。

すごく面白いと思ったのに、Amazonのレビューを見たらすごい酷評されていた。
医学的に嘘ばっかりとか、少女マンガのようとか・・・。

でもワタシは妻夫木くんが言った
「読み終わって思わずCDを買いに行った」
気持ちがわかるけどなぁ。

そして、続編「おやすみラフマニノフ」を買いました。
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by liddell423 | 2011-12-05 23:49 | books

鉄のしぶきがはねる/まはら三桃

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あすなろ例会で紹介してもらった本。
たまたま図書館で見つけたので借りて読んだ。

主人公は工業高校二年生女子。
工業高校なのでクラスで唯一。
男子はかまわず彼女の前でパンツ一丁になる。
そんなタイプの女の子。
身長167㎝。
いっしょじゃん。

恋愛要素があまりないこと、専門用語が多いことは、苦手な人もいるだろうけど、tomにはツボなのだ。
こういうマニアックな世界は大好き。
ものをつくること、その工程は想像するのが楽しい。
知らない言葉であっても。

しかも、舞台は北九州。
モデルとなった高校は「小倉工業」。
明らかに「リバーウォーク」も出てくるし、言葉もこっちだし、北九州市民にはおいしい本だと思う。
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by liddell423 | 2011-12-05 23:24 | books

トーキョー・ストレンジャー

f0089775_21193413.jpg姜 尚中(かんさんじゅん)
1950年熊本生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程修了。国際基督教大学准教授などを経て、現在、東京大学大学院情報学環教授。専攻は政治学・政治思想史。在日二世として、さまざまな問題にコミット。
〜都市では誰もが異邦人/集英社

坂本教授との対談から名前を知った姜さん。
イケメンだし。。。

熊本から大学入学で東京に出てきて、そのころと現在を比較してる。
ノスタルジックな感じ。
何もかも「昔は良かった」というわけではないんだけど。

消費が落ち込んでいる現在に、
「それが悪いわけではない、無駄なものを買わないだけ」
って考え方は好き。
「自分探し」についての
「自分のいやなところも受け入れる」
って言葉も、「ゲド」みたいで、良いなと思った。
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by liddell423 | 2011-11-23 16:25 | books

いまファンタジーにできること/アーシュラ・K・ル=グウィン

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谷垣暁美/訳 河出書房新社


新しい評論というよりは、講演や寄稿した文をまとめたもの。
この本の前に、梨木香歩のエッセイを読んでいて
「この人たちと波長が合うワタシって、やっぱ性格キツイのかも…。」
と思った。


ファンタジーを子どもだましの取るに足らない物語だとか、物語からメッセージを読み取る必要性だとか、「評論家」たちに噛み付いてる。
それが気持ちいいんだけど。

初めの方の、眠り姫を起こさない選択の美学は面白かった。
眠り姫だけがずっと夢を観ている。
お城の他の人々の何人かは災難から免れる。
そういうことを考える自由。


お勧めとくだらない「動物物語」も参考になるし、グウィンさんの倫理観とかジェンダー観とか宗教観とか垣間見えて楽しい。
やっぱり、「ジャングルブック」や「ドリトル先生」や「シートン」はすばらしいし、「ポッター」や「ウォーターシップダウン」はくだらないのだ。
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by liddell423 | 2011-11-13 21:16 | books