トウキョウソナタ

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<監督>黒沢清<脚本>Max Mannix・黒沢清・田中幸子<出演>香川照之/小泉今日子/小柳友/井之脇海/井川遥/津田寛治/役所広司/児嶋一哉(アンジャッシュ)
気になってはいたけど、新聞の評も良かったので見に行く。

舞台はトウキョウ。
線路沿いの小さなマイホームで暮らす、四人家族のものがたり。
リストラされたことを家族に言えないお父さん。
ドーナツを作っても食べてもらえないお母さん。
アメリか軍に入隊するお兄ちゃん。
こっそりピアノを習っている小学六年生のボク。

「父親の権威が保てるよう協力してくれ!」
と叫ぶお父さん。
「兄は自由にさせて失敗したから、弟には自分の価値観を押し付ける!」
自分が間違っていると思いながらも、もう歯止めが効かないんだろうなぁ。

米軍に入隊して中東に出撃した兄がぼろぼろになって帰ってくる。
「いっぱい殺したよ。殺し過ぎた。」
それは母親の悪夢なんだけど、ワタシも戦争に息子を送り出したくないのは、彼に人を殺す体験をさせたくないという気持ちが強い。
もちろん、彼自身が死んでしまうのもイヤだけど。

後半、父は車にひかれそうになり、母は夜の海に入って行き、兄は戦場へ、弟は無賃乗車で留置所へ入れられる。
落ちるとこまで落ちて、「死」を経験して、やっと再生への道が見えてくるんだろうなぁ。
父は友人の無理心中を知り、母は泥棒の自殺に関わり、弟は家出した友達が引きずられるようにして連れ戻される現場に立ち会う。
そういうこともきっかけになっているのかも。
やり直したいと思ったら、そこからきっとやり直すことはできるんだ。

監督の黒沢さんは「アカルイミライ」の人。
この映画を含め、外国での評価が高い。
香川さんは言うことなしのお父さんだし、kyonx2は「グーグー〜」の時とは全然違う。
普通のお母さんになっていた。
すっかり女優さんだぁ。
息子役のふたりも良かった。

ピアノの先生に「天才」と言われた弟の演奏で映画は幕を閉じる。
「月の光」は大好きな曲。
朝の光の中、聴衆を引き込む演奏は、父親の目に浮かんだと同じ涙をワタシにも流させた。
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by liddell423 | 2008-10-01 20:13 | movies