裏庭/梨木香歩

f0089775_126361.jpg久しぶりに読み返してみた。
物語が二層になっているってことしか覚えてなかったし・・・。

照美の両親はレストランを営んでいて忙しく、彼女はいつも夜遅くまで一人の時間を過ごしていた。
時々遊びに行っていた友だちの家で、その子の祖父と仲良くなりいろいろな話を聞かせてもらうようになる。
照美も小さい頃はこっそり忍び込んで遊んでいた、バーンズ家の裏庭の話。
照美の知恵おくれの双子の弟は、そこで亡くなっていた。

学校を休んでバーンズ家に忍び込んだ照美は、大鏡の前で問いかけられる。
「フー アー ユー」
「テルミー」
「アイル テル ユー」
照美の名前こそが「裏庭」への合い言葉だった。

照美は裏庭で「テルミー」となり、スナフ、テナシと旅をする。
みっつの街に散らばったひとつ目の竜の化石を、またひとつに戻す旅。
街ごとに化石を守る三人の魔女に、照美は傷について教えられる。
忘れていた記憶が鮮明になり、物語は照美の母、祖母へと繋がる。
照美の旅の終わりは、バーンズ家の復活であり、照美の家族の再生でもあり、照美と母、母と祖母の関係をも新しくした。

高い塀に囲まれた今では住む人もない洋館。
そこにこっそり潜り込んで遊ぶ子どもたち。
三代の子どもたちのそれぞれのその庭との関わり。
鏡の中の「裏庭(バックヤード)」での冒険。
ばらばらの登場人物が実はそれぞれに繋がっていて、見る角度を変えることでその人を新しく発見できる。

この時期の梨木さんは母親と上手くいかない娘の話が多かったなぁ。
女の業みたいなの。
新しい「雪と珊瑚」は子どもを愛せない母の話で、時代なのかなぁと思った。
[PR]

by liddell423 | 2012-08-18 01:56 | books