猫の名前/草野たき

f0089775_17212524.jpg「だれかといっしょにいないと、不安だった」

佳苗はベランダ伝いに紗枝子さんの家へ行く。
そして紅茶を飲み、銘柄を当てれば自分の好きな科目を教えてもらえる。
紗枝子さんはママと同い年。
子どもがいなくていつもきれいにしているから、近所では浮いている。
でも、夜遊びに付き合ってくれたり、ご飯をごちそうしてくれたり、秘密を共有している紗枝子さんは、佳苗にはなくてはならない人。
紗枝子さんが買ってくる猫のぬいぐるみに名前を付けるのは佳苗の役目だ。

ある日、佳苗は先生から、不登校の平野さんを見舞って欲しいと頼まれる。
佳苗に復讐したいからまた来るようにと脅迫する平野さん。
仲良しの絵里とは、紗枝子さんにお金を借りようとしたことを聞いて以来気まずくなった。
佳苗は紗枝子さんに罰を与えようと、彼女の誘いに乗らないことを決める。
でも、何もかも上手くいかない。
紗枝子さんは大人になりきれてないし、ママも紗枝子さんに嫉妬したりする。
佳苗や絵里は反対に大人になろうとしているみたい。

初めてこの本を読んだ時は、
「子どもの気持ちだけじゃなくて、大人の痛い気持ちを書く人だなぁ」
と思ったけど、中学生にしたら、佳苗や絵里はきちんと考えていると思う。
お母さんの大人げなさは仕方ないとして、この本で一番大人になれないのは紗枝子さんだ。

周りの大人から学んで、自分たちも大人になっていく「子どものための本」だと思っていたけど、大人になっても、一人になることが不安で仕方ない、大人になりきれない大人の本なのかもしれない。

異年齢の友人を持つことは良いことだと思うけど、年上なのに甘えられるのは限度があると思う。
拒絶した相手に
「死ぬかもしれないのよ」
って言われるのって残酷じゃないかなぁ。
どうやら、助かったようだから良かったけど。

来年の例会は「草野たき」さんを担当する。
そのとき読んだらまた違った感想を持つんだろうか。
[PR]

by liddell423 | 2010-12-07 17:20 | books