雷桜/宇江佐真理

たぶん、映画の原作でなくて、蒼井優ちゃんの好きな本じゃなかったら読んでないと思う。
それを知らなくて、映画を見た後でも読んでないと思う。

出会えて良かった。

本当に美しい文章で、美しい言葉で、美しい情景で、美しい物語だった。

なんで悲恋なのにこんなにはまったかというと、たぶん、斉道と雷の出会いと別れに割かれたページ数が少ないからじゃないかと思う。
物語の中心はふたりの身分違いの恋なんだけど、その舞台を用意するまでに、遊が雷となった経緯や斉道の置かれている立場、ふたりの人格形成みたいなものが、他の人の目を通して丁寧に語られている。
それが丁寧だから、ふたりが一気に惹かれあっても、ふたりで別れを選択しても、するっと納得できてしまえたんだと思う。

そして周りの人たちがみんな魅力的。
まあ、ちょっとみんな出来過ぎの人たちだけど。
元気だけが取り柄の妹思いの兄ちゃん助次郎も、斉道を見守り続ける榎戸さんもかっこいいし、弱い母のようで芯は強いお母さんも、突然現れた小姑をいびってるように見えたのに、実は良い人の兄嫁も素敵。

もちろん主人公のふたりは良い。
庄屋の娘でありながら誘拐され山で育てられ「狼女」と呼ばれながらも、素直でまっすぐで人の気持ちに寄り添おうとする雷(遊)。
将軍の子として生まれ、四歳で母親から離され清水家の当主となり、わがままで人を見下し、重圧に耐えきれず奇行を繰り返す。
助次郎と出会い少しずつ変わっていき、遊といることで成長していく斉道。
最初いやな奴なのに、恋に身を任せて勝手なことしたりしないで、自分の役目を果たしていくとこなんかかっこいいなぁ。


映画の前に原作読むのをためらってたけど、読み始めたら止まらなくて夜中までかけて完読して、後半泣きっぱなしだったから、次の日目が開かなかった。

次は優ちゃんがダヴィンチでお勧めしていた「ヘヴン」を読みます。



「ヴァイブレータ」「余命一カ月の花嫁」の廣木隆一監督で映画化。
雷は蒼井優。
斉道は岡田将生。
榎戸さんは柄本さんで、助次郎は小出くん、他にも和田聡宏さんとか柄本佑くんとか大杉蓮さんとか忍成修吾くんとか、良い男がいっぱい。
小説で一番美しい(と解説にあった)、馬上で寄り添うふたりは映像でも美しい。
やたら悲恋とロミオとジュリエットみたいに言われてるのは気に入らないけど、どこをカットしてどこを膨らませたのか、廣木さんの「雷桜」を見てみたい。

まず、側女とはしゃぐ斉道はカットだな。
育ての親がいっぱい出てきそう。
水戸藩のメンバーがいるってことはそこまでの話もあるのかな。
海とか出てきたけど、どこ?


映画「雷桜」ホームページ
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by liddell423 | 2010-09-22 22:48 | books