私の男/桜庭一樹

会社の子から借りた。
すでにみんな読んでいて
「ずっといやらしいんです。」
と言うので
「どんなんだろう」
と。
私の男というのが父親のことだっていうのも、父親との関係を書いた本だというのも知っていたけど、読み始めは
「実の父親じゃなくて養父なんだ」
と、ちょっと安心したら実父だった。
だからね。
いやらしいというよりグロテスクな感じがした。
両親の愛情を受けられずに育ったふたりが、お互いの中に父を母を求める。
「家族っていうのはそんなことしないでもいっしょにいられるんだよ」
と言ったおじいさん。
でも、相手を満たして自分も満たされていないと不安なんだろうな。
身体がつながっているのは実感できても、心のつながりは目に見えないから。
その果てに殺人まで絡んでいるとは思わなかった。
それじゃなお歪むはずだ。
救いがない。

本の構成は現在から時間を遡る。
視点も章ごとに変わる。
最後まで読んだらもう一度初めを確認せずにいられなかった。

好きな本じゃないけどすごい本だとは思う。
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by liddell423 | 2010-05-23 21:43 | books