ラットマン/道尾秀介

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「ラットマン」ってタイトルと初めの文章から「オカルト?」って思ったけど、ミステリーだった。
「ラットマン」というのは、文脈効果と命名効果の一例で、動物と並んで見るとネズミに見える絵が、人物と並べて見ると人の顔に見えるという絵のこと。
このミステリーでも鍵となる。
道尾さんのはいつも、犯人っぽい人が実はそうじゃないことが多いけど、でも終わり頃までそうとしか思えない。
謎も二重にしてあって、ちゃんとそれはリンクしていて、良く出来ているなぁといつも感心する。

最後は救われるカンジが好き。

今回の小説は学生の頃からのバンドメンバーがメインキャストで、エアロスミスのコピーを歌う。
エアロは良く知らないのが残念。
始め、伊坂と混同していて
「あれ?実在のバンド?珍しい・・・」とか思ってた。
伊坂はパンクだったね。



初めにビルのエレベーターに現れる幽霊の話。
でも、これは小説中小説。

姫川亮と竹内耕太、谷尾瑛士は高校のときからバンドを組んでいるが、彼らももう30歳になる。
ドラマーの小野木ひかりは2年前引退し、今は妹の桂がメンバーに加わっている。
姫川とひかりは高2の時から付き合っていて、周囲は結婚するものと思っているが、姫川には誰にも話していない過去のトラウマがあり、そして、ひかりの妹桂に惹かれていた。

ライブ前の最後の練習の日、ずっと練習に使ってきたスタジオを閉めることをオーナーの野際に聞かされる。
身に覚えのないひかりの妊娠、桂との関係、姉の死に悩む姫川は、ひかりを殺そうと考える。
そして、密室となった倉庫で、大型のアンプの下敷きになったひかりが発見される。

犯人は姫川だって思うよね。
じゃなきゃ桂?って思うよね。
それが、全然違うとこから出てきて、姫川がずっとトラウマだった姉の死の真相もわかって、すっきり。
でも、騙された感があるのは、ずっとひとりが犯人に見えるように文章を進めているから。
読み返せば、ちゃんと納得がいくんだけど、なんだか悔しい。

「本当はいいヤツなのに・・・」って人が犯人じゃないのはうれしいんだけどね。
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by liddell423 | 2009-10-25 14:56 | books